なかよしライブラリーの木工の仕事

なかよしライブラリ―の木工の仕事について、初めてサイトに訪れた方、なかよしライブラリーって何の会社?と思われる方にぜひ最初にご覧いただきたいページです。私たちが日々取り組んでいること、大事にしていることをツラツラと書きますので、気軽に読んで下されば幸いです。

なかよしライブラリーの木工の仕事

まず始めはなかよしライブラリーがデザイン・販売・製作を手掛けるアイテムについてです。

なかよしライブラリ―家具
ヒノキを使用した家具
なかよしライブラリ―木のおもちゃ
木のおもちゃ
なかよしライブラリ―保育園用家具
保育園の家具やロッカー等の備品
なかよしライブラリ―木の雑貨
木の雑貨
なかよしライブラリ―キッズルーム
施設向け木のキッズルーム
なかよしライブラリ―遊具
室内向けの木の遊具

全て木製で、出来る限り金物などを使用せずに、木の強度等を考慮しながら材を適材適所に使っています。

なかよしライブラリ―木の雑貨
異なる材種で作るから無塗装でも色の違いが出る

そして一切の着色を行わず、木の色味だけで可愛くデザインをしています。日本の木はその色味がとても様々で美しいのです。

なかよしライブラリ―木のおもちゃ
子どもが口に入れても安心

木の安全性は保障します。赤ちゃんが口に入れても問題のないレベルの塗料で仕上げています。

なかよしライブラリ―のモノづくりで大切にしていること

このような木製品を作るうえでなかよしライブラリ―が大切にしていることがあります。それは全て日本の木材を使うこと

物部森林ストックヤード

杉、ヒノキ、ケヤキ、ナラ、栗、ホオ、桜などなど、おおよそ20種類の材種を使い分けて商品を作っています。ではなぜ日本の木材にこだわるのか?

日本の木材について

2016年から定められたSDGsでは世界中で取り組むべき問題をあらゆる角度から対策していくため17の目標が設定されました。

その中でも15番『森の豊かさを守ろう』12番『つくる責任使う責任』に注力して取り組んでいます。では木材で製品をつくる上で、抑えておきたいポイントについてご説明します。

地球温暖化に対する森林の役割

写真HP抜粋

地球温暖化が進む要因として挙げられるのが、地球の上空を覆っているオゾン層の破壊です。オゾン層の破壊が進むと様々な問題が起こります。

地球温暖化が生活に及ぼす影響

写真HP抜粋

地球温暖化が進むと私たちの生活にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

1.自然災害

地球の温度が上昇することで、山火事、異常気象による豪雨災害や土砂崩れなどの山の災害が近年頻繁化しています。

2.感染症

地球の温度が上がることで、熱帯地方特有の感染症の拡大が広がっています。または新種のウイルス等の登場。

3.食糧危機

地球の温度上昇で作物ができないことによる、食糧生産危機の可能性。

4.生態系変化

海・陸に住む動植物が絶滅のリスクと生態系の変化

地球の温度が上昇することで、このような問題を引き起こしてしまいます。今、世界中の先進国で温室効果ガスの排出を抑える取り組みを各企業は行っています。

森林は救世主?

森林は温室効果ガスの中でも最も割合の多い、二酸化炭素を吸収し、酸素を作る役割を担っているのです。そしてこの森林は世界中に生息し特に日本は世界有数の森林率を誇る国なのです。

日本の森林率は世界第3位 国土の2/3が森林です。

しかし、ただただ森林が多いだけでは、その森林としての機能は十分と言えないのです。どういうことか?

上の2枚の写真。どちらも森林ですが、左は樹齢100年以上の木、右は植林して十数年の森林群です。森林は植林してまだ年数が浅い若木の方が二酸化炭素の吸収量が多いことが分かっています。

つまり若い森林群をたくさん作ることが地球環境を改善する効果があると言えるのです。

日本の林業の課題と問題点

では今の日本の林業の現状はどうか。というと植林され数十年程経過した木(使い時の木)が伐採されずに放置されてしまっているのです。

この放置された森林は木の枝が伸び、枝の葉が生い茂り、光がほとんど入らないくらい森になってしまいます。

下の写真をご覧ください。

写真提供 株式会社山城もくもく

人の手が加えられず、枝が下の方にもついていて、山の中に光が入ってこない。1本1本の木には光が当たらないために根が張らず貧弱な木になっています。

写真提供 株式会社山城もくもく

反対に人の手によって枝の手入れがされ、地面まで光が届くエリアの木は太く、大きくしっかりと根を張り育っていきます。この2枚の写真はどちらも人の手によって植えられた木ですが、放置状態と手入れ状態で木の成長が大きく変わることが分かります。

放置の森林が増えることで、雨を溜め込む土壌が育たないため、大雨時には川の水が土砂だらけで茶色く変色します。さらに山に光が入らない=下草が生えない。つまり昆虫や、動物が住みづらい(食べ物がない)山になり、生態系が作られないことになります。

そして、根が張らない、雨水を蓄える機能が弱った森林は土砂災害のリスクが上がってしまい、私たちの生活に直結する問題となるのです。

間伐がもたらす好循環と材の使い道

森の手入れをするということで、山には生態系ができあがり、動植物が豊かに過ごす環境が出来上がります。

山に光が入り→地面に雑草が生える→土壌が育つ(柔らかくなり根が張りやすくなる)→草を食べに昆虫や動物が集まってくる→またその虫や動物を食べに、さらに動物が集まる。という自然のサイクルが出来上がります。

間伐がされていない森林の大きな原因は、【林業の担い手不足・高齢化】です。ではなぜ担い手がいないのか。

理由は外国からの木材が国産材の利用量を抜いてしまっているからです。日本で使っている木材の約6割強が外国材です。日本は世界有数の森林大国であると同時に、その森林の半分も国内で消費できていない現状があるのです。そのため、国産材の利用頻度が減少し、林業が活性化しないという現状があるのです。

北米の床材(パイン材)

安定した品質で、大量に入る外材は工期通りに家を建てたり、安定して家具などを量産するのに好まれます。確かに魅力的ではありますが、国産材の利用価値をあげていかないと、林業の活性化や自然災害などの被害を食い止めることはできないのです。

山のサイクルを回す

森林を育てるにはたくさんの人の手が必要だということになります。そして50年以上を1サイクルとして考えるので、とても時間と手間と費用が掛かります。

山を手入れし

伐採し

家具や建物に活用し

そして植林する。

この50年サイクルを回すために、木に関わる仕事は沢山の種類があります。林業の仕事、製材の仕事、加工の仕事、そして私達のような活用を方法を考え、サービスをデザインしお客様へ販売(伝える)仕事です。

なかよしライブラリ―は植林や山の管理はしていませんが、国産材にいかに価値をのせてお客様に届けるか。そのことに一生懸命取り組んでいます。

以上ここまでが、今の林業の問題とその中でなかよしライブラリーは国産材の活用を仕事として行っている、というお話でした。そしてここからは私たちの具体的な仕事についてお話します。

なかよしライブラリーの仕事

最初の写真でご覧いただいたように私たちは国産材を使って雑貨から木のおもちゃ、家具、遊具、部屋作り等を仕事として取り組んでいます。その中でもいくつかのカテゴリがあるのでご紹介します。

おもちゃ職人
おもちゃ職人

おもちゃを作る仕事。木のおもちゃは香川県のおもちゃ工場で製作しています。細かな作業の繰り返しです。職人の女性比率が多く、繊細な手作業が求められます。

家具職人
家具職人

高知県の家具工場では子供向けの家具や遊具等を高知県産のヒノキを主材料として製作しています。ツルツルに磨かれた商品は気持ちいい肌触りです*

店舗の仕事

直営店での販売やイベントなどの仕事です。お客様と作り手が接することのできる場所であり、お客様がなかよしライブラリーの商品を直接手に取って体感できる場所でもあります。製造を経験したスタッフがご案内をしています。

営業や図面を描く仕事

商品を販売するのは日本全国です。必要であれば現地での打ち合わせ、オーダー商品の設計、そして納品や取り付け施工までを自社で行います。製造を経験している、専門スタッフです。

魅力を伝える仕事

中学校の講演の様子

HPやブログやイベントなどを通じて会社の魅力や国産材の利用価値等を子どもたちや大人の方に向けて伝える仕事です。小学校での授業や、様々な企画作り、イベント等を行います。

製品ができあがるまで

丸太を購入し、製材所で板に挽き(ひき)きます。

桟積みを行い、木を乾燥させます。期間は約1年。

製作。板の厚みを揃え、まっすぐに鉋掛けを行います。

加工を行います。

最終仕上げの塗装を行い完成です。

植林から伐採までの永いサイクルから、さらに手間暇を加えて創っていきます。丸太を板にしてから、乾燥するまでの期間は約1年。そこからようやく使えるようになります。デザイン・販売から製造・仕上げまで自社で全て行い、お客様に直接届けることを大切にしています。

なかよしライブラリ―のつくる責任

なかよしライブラリーでは製造から販売までの活動において【自然に還らないものを出さない】ように一生懸命取り組んでいます。

例えば、おもちゃの放送を過剰にすることなく、最低限の段ボール素材と緩衝材には木の削りカスや木綿を使用します。こうすることで、開けた時の香りの良さや、ご自宅でもプラスチックごみにならない良さがあります。

そして、木を削った際に出るヒノキのおがくずは一部の家具の緩衝材にして、届いたお客様のもとで1日ヒノキ風呂体験を楽しめるようにしています。

自然の恵みを最後まで使い切ることが数十年前に植えた木を使うことの責任だと感じています。そして、それは社内やお客様だけでなく、端材は地域の方々へ工作の材料や風呂の薪などに有効利用し、最終的には灰になり土に還るところまでを1サイクルとして考えています。

この記事でなかよしライブラリーで働いてみたいと思ってもらえたり、山の仕事に興味出た。と思ってもらえたり、木製品を手に取る機会が増えたり、国産材の利用について考えるきっかけになれば嬉しいです。

なかよしライブラリ―大きなロボット君

なかよしライブラリーは創業36年。これからも変わらず国産材の利用価値をあげて、作り手とお客様が身近に交流できる会社であり続けていきたいと思います。ではまた。