保育室木製収納ロッカー【新園舎建て替え】
園名 | 高屋保育学園(大阪府) |
納品日 | 2020年9月 |
アイテム/対象 | 下駄箱・収納ロッカー |
令和2年9月、大阪府羽曳野市にある高屋保育学園様の園舎建替えに伴い、0歳~5歳までの保育室ロッカー・下駄箱の製作をさせていただきました。創立40年の歴史のある園舎がその伝統と共に新しい園舎で子どもたちを迎えます。
新園舎のコンセプトは落ち着いた和モダン。世界遺産の古墳群がある街、古市にふさわしいように和の要素を取り入れ、落ち着いた雰囲気となかよしライブラリーが手掛ける無垢材ならではの木のぬくもりを大切にしています。
なかよしライブラリーを知るきっかけとなったのは近隣のこども園様の建て替えお披露目会とのこと。園舎の雰囲気と私たちの木製ロッカーやテーブルの雰囲気がマッチしていること、そして何より実際に見て触れて、素材の良さと仕上がりの良さに惚れ込んでいただきました。
「2,3歳児室」、「3,4歳児室」とそれぞれ同じ仕様のロッカーを製作しました。お部屋に広がるヒノキの香りは癒しの空間と優しい天然木の雰囲気が特徴的です。
各保育室は引き戸で隔てているので同じロッカーを揃えることでより統一感があります。
家具の作り替えとなると一番に考えるのは使い勝手の良いものだと思います。最初のヒアリングでは、まずは既存のロッカーを参考にし付きやすかった部分と使いづらかった部分を明確にする作業から始まりました。
これまではひとつの枠の中に重ねて入れており、大きさ問わず収納出来るメリットがある一方で物の出し入れにひと手間掛かるという悩みもありました。
このお悩みを解消すべく、各お道具ごとに仕切りをつくりきれいに整理される設計のロッカーとなりました。
大人が思っている以上に子どもたちは整理整頓が難しいので、見える化することで成長の発達を促します。
基本的に乳児ロッカーから荷物の出し入れするのは保護者や保育者です。あまりに低い所から荷物の出し入れするのは身体を痛める原因となります。
最下部は日常あまり使わない雑材を収納する空間とし他年齢比べると30㎝程背の高いロッカーの仕様になっています。
子どもたちが登園してきてまず初めに触れる家具は下駄箱です。思わず頬擦りしたくなるような質感はなかよしライブラリーの製品しか出せない味です。
そしてエントランスは保育園の『顔』だと考えています。
園児と最上段大人用とマスの大きさを変えています。
なかよしライブラリーが使用する木材はすべて国産の木材です。特に家具の本体等に使用するヒノキは日本でも特に良質とされている地元高知県産材のヒノキです。
日本は世界第2位の“森の国”です。森林がたくさんあることは良いことですが、日本の場合は、森林の約40パーセントが戦後に植林されたスギやヒノキです。人が植林した森は、「枝を伐(か)ったり間引きをしたりして木を育てる→生長した木をばっ採して木材や製品として使う→植林する」という作業を人の手で行って循環させていく必要があります。ところが日本は、国産材(国内の森林からばっ採した木材)よりも価格が安い海外の木材を輸入して使っているので、放置されている森が多く、森がもつ役割が活かされていません。近年少しずつ国産材の利用は増えていますが、それでも70%は海外から輸入しています。日本の森林資源を活かすことは、海外で減少し続けている森林を守ることにもつながります。
今回初めにお話し頂いたのは2019年の8月頃。最初にイメージを共有し、2020年3月ようやく本格的に家具の設計がスタートしました。高知⇔大阪、そして新型コロナウイルスの影響により直接打ち合わせができるのも限られてしまいましたが、先生の理想の園に近づける為、精一杯のご提案をさせていただきました。
自分たちが打ち合わせし、製図、製作、納品まですることは、すべてに責任がある一方で、お届けする保育園様にとっては安心して任せられるというメリットもあると思います。そして一貫して行う事は何より達成感があり、次の幼保園様に良いご提案ができると思います。 なかよしライブラリーの家具が10年後も、20年後も子どもたちと一緒に年を重ねていってもらいたいと願っています。