保育士からものづくりへ

 赤ちゃん積み木写真

保育士として重度心身障害児施設で働きながら子どもたちと接しながら感じたこと。 子ども達は少し目を離すと、遊んでいるおもちゃを投げたり口に入れたり、それはひと時も目を離す暇がないほど。 遊んでいるにもかかわらず、常に怪我と隣り合わせにある状況を変えたいと、作り始めた「木のおもちゃ」。


角を丸くし、塗装をせずに、安全に配慮した木のミニカーや積み木など。それはそれは子ども達が喜んで遊んでくれました。それを目にした保護者の方から、家庭用にも造ってほしいという声をいただいたことが創業のきっかけになりました。

 

価値のある商品とは

なかよしライブラリー写真

どこをとっても安心の商品を

材料の調達から始まり、企画、デザイン、設計そして製造から販売までを一貫して自社で行っています。物を仕入れて売るのではなく自ら生み出し、創造し開拓していく仕事に誇りを持って取り組んでいます。そしてものづくりの全てを公開しても恥じないモノづくりであり続けたいと考えています。私たちが納得し、安心安全だと吟味した材料のみを使うことをお約束します。


製造直販にこだわる

私たちが手掛けた製品はその作り手の想いや、ものづくりの背景を理解した上でお客様にお伝えし、使っていただきたいと考えています。お客様に直接ご提供することで中間マージンを発生させず、お客様には良質な材を使った商品を適正価格で販売することをお約束できます。


子どもたちの発達に役立つ製品であること

電池式で動くおもちゃは最初は興味津々でおもしろく思うのですが、結局はクマやうさぎのぬいぐるみ等の方が長く遊ぶことが少なくありませんでした。
自動で動くおもちゃは最初はおもしろいのですが、動きが同じなので、すぐに飽きてしまします。 自分で操り、自分で想像して考えられるおもちゃの方こそ、子ども達には面白さを感じて頂けると考えています。そうして遊べるおもちゃは想像力や発想力を鍛え、発育を助ける役割を担えるはずです。 主役は子どもたち。子どもたちの成長に役立つためにおもちゃの存在があると考えています。


手仕事による製品づくり

はがため写真

安全性


木がおもちゃになるまでにはたくさんの工程を経て、製品として出来上がります。まず、山から伐採してきた木を丸太の状態で仕入れます。板で仕入れることとの、大きな違いは板を成型する時に使用する接着剤を極力使用しないためです。仕上げ材に使う塗料も自然の亜麻仁油を主成分とした塗料で人体に無害なものしか使用しません。ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった化学物質のほかにも人体に有害な物質は数多く存在します。使う人に優しく健康被害を起こさせないために、安全面に配慮しています。これは創業者自身が化学物質過敏症であることが非常に強く影響しています。


手触り

材料は高知県・兵庫県産のヒノキを中心に、岐阜県・奈良県・北海道・秋田の色の綺麗な広葉樹を仕入れて製品にしています。これらの木材は樹齢が70年以上のものばかりで、きめが細かく、磨きあげると非常に綺麗で見事な手触りになります。しかし、機械だけの磨き作業では、磨き残しや艶が出るほどにはならないもの。大量生産の工業製品には真似できない、一つ一つ丁寧な手仕事で仕上げていくことのより、赤ちゃんが直ぐに口に入れてくれるまでの肌触りを実現しています。


安心して使える商品を



日本は先進国の中でも世界トップレベルの森林率を有しています。しかし国内の木材自給率は45%以下。身の回りにはこんなにも、家具やおもちゃ、そして住宅等木を使ったものが、たくさんありますが、使われる素材は木でも外国材、あるいは木質系、アルミやプラスチック樹脂などの化学製品が主流です。便利で安価な製品が多くなる一方で、化学物質に過敏に反応し、体調を崩したり、アレルギー症状を引き起こす現代病が多くなっていきました。子どもたちは自然に囲まれ育ち、近くに山々がなくても木で作られたもので豊かに暮らせるというのが本来のあり方ではないでしょうか。

日本の木だけで15種類使用

なかよしライブラリー材種



当社では現在 15種類の材種を商品やパーツのよって使い分けています。 これだけの材種を常時保有し、様々な玩具・家具に使っている会社も多くはないはずです。 日本の木材は色もきれいで、木材を着色しなくてもカラフルな色合いを楽しめます。

適材適所に



木は材種によって硬さも様々。例えば家具の接合部分には強度のあるケヤキやナラを使います。 磨くと光沢が出て、水分に強い木ヒノキはテーブルに。赤ちゃんが口に入れる商品は植物塗装をするので油の乗りが良い材種を。 という様に15種類の材種を使い分けながら、また季節によって調達ができない場合は別の材で代用したりと木の特性を生かしたモノづくりを大切にしています。

無垢の一枚板を使った家具作り

僕と私の本棚写真

2023年1月よりこれまで当たり前だった、節=美しくない。価値が下がる。をあらためて見直し、節=木の個性。山の管理の賜物。と固定概念を払拭し新しい考え方で無垢の一枚板の家具作りをスタートさせます。

これまでの材料との違い

材種違い写真

左は従来の【幅はぎ材】、右は【一枚板】。【幅はぎ材】は幅10㎝程度の板を横方向に継いで一枚の板にしているのに対して、【一枚板】は幅の広い1枚の板を使っています。
■幅はぎ材=無節の部分だけを選別して継ぎ合わせることで、無節に近い家具ができる。
一枚板=一枚の板を使用するため、節もそのまま利用する。木目の細かい個性豊かな木の表情を楽しめる。(木の樹齢が永い)

より自然で安心の家具に

節のない家具が上品で美しいという業界の“あたりまえ“ではなく、「森の恵みをそのまま家具にする」その方がより自然だし、これまで以上に木の表情を楽しめると考えています。

また50~70年と枝打ちなどの手入れをしてきた木には節が少なく、良質な材料として市場では高値で扱われます。 樹齢が永く、しっかりと手入れされた丸太を我々が直接買い付け、節はデザインの一部として利用することで、「世界に一つだけの表情を持った家具」をお客様にお届けできます。

節の扱いについて

ひのき節写真
生き節・抜け節(穴が開いた状態)は家具の使用上問題のない範囲で木の個性と捉え、デザインの一部として家具に使います。
例えば抜け節は棚板や側板に使用します。

手間暇をかけてお客様にさらなる良質を

僕と私の本棚写真
一枚板は、幅はぎ材に比べて材料の保管方法や乾燥具合等、管理も製作も難しくなります。作業工程もこれまで以上に手間暇が増えますが、この1枚板の美しい表情、山の管理の方々が世代を超えて管理してきてきたからこそ育った、一枚板の美しい表情をぜひ、お客様と共有したいと思っています。