Vol.2【子育て相談室】上の子の「ママがいい!」に困ったら/5歳の指しゃぶりへの向き合い方

Vol.2【子育て相談室】上の子の「ママがいい!」に困ったら/5歳の指しゃぶりへの向き合い方

 

こんにちは。
9月に入り、少しずつ秋の気配を感じる時期になりました。
子どもたちの成長もまた、気づけば小さな変化を重ねていますね。

さて、2回目の子育てコラムです。
前回は「赤ちゃんの“なめる”は成長のサイン」についてお届けしましたが、
今回は読者の皆さんからのお悩みにお答えしていきます。

子育ての日々は、よろこびや発見がいっぱい。
でも「これでいいのかな?」と迷うこともありますよね。

モンテッソーリ教育では「子どもには自ら育つ力がある」と考えます。
大人はその力を信じて見守り、ときにそっと寄り添う存在です。

モンテッソーリ教育を学び、保育現場で多くの子どもたちと関わってきた 吉村るみ子さんが、皆さんからのご相談にお答えします。

今回のテーマは「上の子の赤ちゃん返り」と「5歳の指しゃぶり」。
では、さっそく相談室のスタートです!
最初のお悩みは、0歳・4歳のお子さまをもつ わかめさん から。

お悩み1│ママがいい!に困ったら

上の子4歳が、ママっ子過ぎてお風呂もごはんの介助も寝かしつけもいつも「ママじゃないとだめ」状態です。特に下の子が生まれてから、赤ちゃんがえりまではないですが、ママへの執着が強くなりました。ママが好きなのはうれしいですが、たまには離れてー!と思ってしまうほどです笑
パパやおじいちゃんおばあちゃんにも手伝ってもらったり、ママがいなくても大丈夫になるためには、子どもにどんな声かけをすればいいでしょうか?
またいつも断られているパパへのフォローもアドバイスもらえるとうれしいです笑
(ペンネーム:わかめ/子どもの年齢:0歳・4歳)

吉村さんからのアドバイス

わかめさん、ご相談ありがとうございます。
下のお子さんが生まれると、上のお子さんにとってはとても大きな衝撃になります。
妊娠期間中も、ママのお腹が大きくなったり、抱っこが減ったりと変化を感じています。
まわりから「お兄ちゃんになるね」「がんばってね」と声をかけられても、子どもにとってはまだ実感がない、未経験のことなのです。

私が教えていただいた例えがあります。
病院からママが赤ちゃんを抱いて帰ってきたときの上の子の衝撃は、
「ある日突然、ご主人が若い女性を連れてきて『君も大好きだけど、この人のことも好きだから一緒に暮らそう』と言われるのと同じくらい」だそうです。
上の子にとっては、それくらい強烈で戸惑いを伴う出来事なのです。

 

その日から約2か月間は、ママと赤ちゃんにとって大切な共生期間。
どうしても赤ちゃん優先になり、上のお子さんのお世話はパパや他の人に任せることが増えます。
上のお子さんにとって、突然現れた赤ちゃんの存在をすぐに受け入れるのは大変です。
だからこそ、その思いを身体で表す「赤ちゃん返り」の行動が見られても、自然なことなのです。

「あなたが赤ちゃんのときも同じようにお世話したのよ」と周りの方が伝えたり、赤ちゃんのころの写真を一緒に見返すのもいいと思います。
上の子にとって「自分も同じように大切にされてきた」と感じられることが安心につながります。

断られるパパは寂しいですね。
でも、ママと子どものつながりはとても強く、どうしても特別なものです。
ただし、妊娠中や出産前後もパパには大切な役割があります。
ママが「子どもは自分のもの」という思いを無意識に抱かないように、家族の関わり方全体を整えていくことが大切です。
4歳という成長の節目には、大人の関わり方を少し変えてあげることで、子どもの気持ちも少しずつ和らいでいきますよ。

 

吉村さん、ありがとうございました!
子どもにとって「ママがいい!」は自然なことなんだと知ると、親としての気持ちも少し軽くなりますね。
それでは続いて、5歳のお子さんを育てるすーちゃんさんから、「指しゃぶり」に関するご相談です。

お悩み2│5歳の指しゃぶりへの向き合い方

指しゃぶりをやめられません。指しゃぶり自体は気にならないのですが、衛生面や姿勢への影響が気になっています。観察している感じでは、さみしくてどうしようもなくというより、もう習慣になっているような気もしています。このまま本人のタイミングで辞めるのを待っていてもよいでしょうか?
(ペンネーム:すーちゃん/子どもの年齢:5歳)

吉村さんからのアドバイス

すーちゃんさん、ご相談ありがとうございます。
指しゃぶりはいつごろから始まりましたか?
市販のおしゃぶりなど人工物の場合では様々な弊害が出やすいとも言われますが、自分の指をしゃぶるのは子どもが自ら行っていること。
だからこそ「なぜかな?」と観察し、必要な援助があればしていくことが大切です。

すーちゃんさんのお話からすると、お子さんの場合は「さみしくて」というより「習慣になっている」印象ですね。
5歳なら、ママとお話ができる年齢です。
日ごろから対話をされているのであれば、一度「本人の気持ち」を聞いてみるのが良いと思います。
聞いてみることで見えてくることがきっとあると思います。

 

例えばこんな風に伝えてみてはいかがでしょうか。
「衛生的に気になるし、姿勢も悪くなるのでは…と心配なの。だからやめるお手伝いをしたいとママは思ってるの。〇〇ちゃんはどう思う?」
気を付けることは、ママの考えに誘導せず、本人の気持ちをそのまま聞くことです。

もしお子さんが「やめたい」と思っているなら、いくつか方法を考えて本人に選んでもらいましょう。
逆に「やめたくない」と思っているなら、その答えを尊重して次のタイミングを待ちましょう。
大切なのは、ママがそばでいつも見守っているよ、と伝えること。
そう思えることで、子どもは「やめたい」と感じたときに、安心して次のステップに進めるのです。

 

吉村さん、ありがとうございました!
子育てには「これが正解!」はありません。でも、少し視点を変えるだけで、子どもも大人もぐんと楽になることがあります。

記事の感想など、ぜひお気軽にコメントをお寄せください。次回もどうぞお楽しみに!


お悩みに答えてくれたのは

モンテッソーリ教育を学び、0~3歳国際AMIディプロマ・3~6歳日本JAMディプロマを取得した吉村るみ子さんです。
東京の保育現場で子どもたちと過ごしながら教員養成コースの助手も務め、現在は四国を拠点に活動を続けています。
保育士・幼稚園教諭・木育インストラクターなどの資格を持ち、これまで数多くの親子と関わってきました。
「子ども一人ひとりの成長に寄り添い、家庭でも取り入れられるヒントを届けたい」
その思いを胸に、皆さんのご相談にお答えしています。

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名前:なかよしスタッフ 読みもの係
役割:読みもの作成
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よくいる場所:高知本社
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こんにちは、なかよしライブラリーの読みもの係です。
子育て中のスタッフが、木のおもちゃや家具のこと、そして毎日の暮らしにちょっと役立つヒントをお届けしていきます。
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